歌が運ぶ二人の恋

って、何考えてるんだよ。

その前に、本当にこいつ俺の事知らないみたいだな。

まぁ分からない方が楽で良いけど。

「なぁ、お前って何歳?」

「私?私は、十六歳だけど」

「ふーん」

俺と二歳違うだけか。

「それより貴方の名前教えてよ、まだ聞いてないんだけど」

「はっ?何でお前に言わないといけないわけ?」

「むっ!また私の事お前って言った。さっき言ったよね。私は、星美夜蘭だって」

「あぁ、言ったな」

言われても覚える気なんてなかったし。

「名前覚える気ないならいいけど、名前ぐらい教えてくれても……」

女はそう言うと、視線を下へさげた。

面倒くさ、名前言ったとろこで何になるんだよ。

でも、ケーキおごってくれたし、もうこれ以上会わないとも思うけど、名前ぐらい言ってやっても、いい、よな?

「正宗」

「え?」

「酢練李正宗だ。覚えなくていいからな!」

「正宗……、凄い昔の人みたい」

「はっ?」

いや、反応するところそこじゃないぞ。