歌が運ぶ二人の恋

「もうお腹いっぱい」

「腹もいっぱいになったことだし、そろそろ寝ろよ」

「う、うん」

蘭は、まだ行かないでというように俺を見てくる。

「もう夜も遅い、だから俺は帰るよ」

「分かってるけど、まだ一緒に居たいって気持ちがあるの」

そんなの、俺だってそうだ。

でも、このまま泊まるわけにはいかないし。

俺は、軽く息を吐き蘭に言う。

「明日の朝、迎えに来るのは駄目か?」

「それは……」

「っ!」

そんな寂しそうな瞳を向けられたら、帰りづらいじゃないか。

「分かったよ。今日は、泊まっていく」

「ほ、本当に?!」

蘭は、嬉しそうに俺に抱きつく。

「だ、だから離れろって!」

ただでさえ風呂上がりの姿をしているんだ。

自分の気持を押さえ込むのに必死になる。