歌が運ぶ二人の恋

「ん……」

私は、閉じていた目をゆっくと開け起き上がる。

「夢、だったのかな?」

でも、夢じゃない気がする。

「今、何時なのかな?」

時計を見ようとした時、私の手を誰かが握っていたことに気づいた。

「誰?」

隣を見ると、そこには正宗が壁に寄りかかって寝ていた。

「正宗?!」

私は、ベッドから降り正宗の寝顔を見つめる。

「寝ているあいだ、ずっと傍に居てくれたんだね」

正宗の横に座り、正宗にしなだれかかる。

「ん……、蘭?」

「ご、ごめん起こしちゃった?!」

「いや、それよりお前――」

「えっ?」

その時、正宗が私の頬に手をかけた。

「ま、正宗?」

「……っ」

正宗は、私の顔をじっくりと見てくると、静かに息を吐いた。

「良かった」

「何が?」

「いや、三日前よりは元の蘭に戻ってるって思ったんだ」

「そっか……」

どれだけ正宗に心配をかけたんだろう、きっと他の誰よりも私のことを心配していてくれてたんだよね。

「ごめんね、正宗に酷いこと言った」

「別にいいよ、お前の気持ちはちゃんと分かってる」

正宗は、頬にかけていた手を離すと、私を優しく抱きしめてくれた。