歌が運ぶ二人の恋

「だって、今いいところ」

「もう終わったでしょ?」

お母さんは、机の上に乗っていたリモコンを取り、チャンネルを変える。

「あっー!」

「アニメは、もう終わりよ」

テレビに映ったのは、アイドルの歌番組だった。

「これなぁに?」

「アイドルみたいね、私もよく知らないけど」

私は、曲を歌う人たちを見て目を輝かせていた。

「私、決めた!」

「えっ?」

「なにを?」

「私、大きくなったら曲を歌う人になりたい!」

私は、お母さんからリモコンを借りて自分の口元に近づける。

「ということは」

「アイドルになるのか?」

「うん、だってこの人キラキラしてる!」

「そりゃぁ、照明とかでキラキラするのは当たり前だし」

「でも、蘭の夢ならお母さん応援しちゃうぞ!」

「ほんとう!」

思い出した。

「私、大きくなったらアイドルになる!」

「蘭は、その夢諦めないって誓える?」

「うん、誓う!」

「じゃぁ、約束」

お母さんは、小指をだすと私の小さな小指に指を絡める。

「約束!」