【蘭】

「はぁ……、はぁ……。やっと着いた」

私はお店の前で息を整える。

でもさっきは本当にびっくりした。

まさかあの男の子とぶつかるだなんて。

「でも……」

予想通りイケメンで、ドキッとしたけど、幼さも感じられた。

「うーん、でも何で自分の素顔隠してるのかな?」

サングラスをかけて、フードを被っていて、まるで周りの人を避けているみたいだった。

「もしかして、あんな生意気な口調だけど、本当は単なるコミュ症だったりして?」

いや、やっぱりそれは考えられないか、初対面の私に対してあの態度だったし。

「それにあの人、私より年上みたいだし」

とりあえず、お店の中へと入り店番をしていてくれたお手伝いさんと交代した。