歌が運ぶ二人の恋

とりあえず、かなめの部屋にあがり蘭のことを話す。

「私もさっき蘭ちゃんの様子見てきたんだけど」

「蘭は、どうだった?」

「泣き疲れて寝てたよ」

「そうか」

ホットした。

もし今も泣き続けていたら、俺は蘭のところに行ったかもしれない。

「そういえば、可愛い猫のぬいぐるみ抱きしめてたよ」

「猫のぬいぐるみ?」

それって、俺が取ってやったあの猫のぬいぐるみか?

「すごい力で抱きしめてたよ、よっぽど大切な物なんだね」

俺は、唇を噛み締める。

やっぱり、俺は蘭の傍に居てあげなくちゃ駄目なんだ。

「正宗は、蘭ちゃんのこと好きなんだよね?」

「もちろんだ!蘭以外の女なんて!……あっ……」

「ふふ、可愛いね正宗は」

「何言わせてんだよ!」

ほんと、こいつの前だと自分が何言わされるか分んねぇ。

「あのね、蘭ちゃんも正宗のこと好きなんだよ」

「そんなの知ってるさ」

だって、あの時に蘭の気持ちを知れたんだから。