歌が運ぶ二人の恋

それから私は、正宗と一緒に家へと帰って来た。

「……」

私は、病院からずっと黙っていた。

「蘭……」

正宗が私の名前を呼ぶけど、そんなの頭の中には入って来なかった。

「蘭!」

正宗に手首を掴まれ、私は低く答える。

「なに……?」

今は一人にして欲しいかった。

「今日はもう帰って、一人にさせて」

「悪いが、今はできない」

なんで?

一人にさせてよっ!!