歌が運ぶ二人の恋

「願いが叶うなら、正宗を迎えられる場所にしたいと思ったんです」

その時、私の頬に涙が伝った。

「あ、あのどうしたんですか!?」

「いえ、何でもありません」

私の中には、安心感が生まれていた。

正宗は、正美さんと家族に戻れると思ったからだ。

「蘭さんは、何でそこまで私たちのことを?」

「それは、私は正宗が大好きだから」

「えっ?」

とっさに好きって言っちゃったけど、もう隠さなくていい。

「大好きな正宗には、笑っていてほしいんです。それから、正美さんと正宗には、もう一度家族になってほしいから」

「ありがとうございます蘭さん、貴方に今日出会えたのは、偶然ではないと思います」

「希世もそう思う」

希世ちゃんは、元気よく手を挙げた。

「今度正宗に会いに行こっか、正宗が私たちを拒否しても、何度でも会いに行こうね」

「うん、希世お兄にいっぱい遊んでもらうの」

「そんな時間ねぇよ」

「えっ!ちょっと!」

被っていた帽子を後ろに座っていた人に取られてしまった。