「でも、その前に私はあの子に酷いことを言ってしまいました。あの子を愛していなかったことを、その時の正宗の表情は、今でも思い出します。」
「正宗も言っていました。どんなに虐待を受けていたとしても、母さんは俺を愛してくれているって。それを裏切られて、どんなに悲しかったかって」
正美さんは、ハンカチで涙を拭うと話を続けた。
「妹の希世の名前を姉と同じ名前にした時も、正宗は傷ついた表情をしていました。もちろん、妹の名前を姉と一緒にするのはおかしいと思われても仕方がないと思います。だけど、私はまだあの時希世の存在を求めていたから」
「それで、お姉さんと同じ名前を……」
「はい……。その後に、正宗は出ていきました」
正美さんも正美さんで、大変だった時期なんだ。
まだ正宗と正美さんは、話せば分かり合えるかもしれない。
「正美さんは、今どこに住んでいるんですか?」
「ここから少し離れた住宅街です。この子と暮らす為、新しく家を建てたんです」
「父親は?」
「別れました」
「えっ!」
「この子には希世と同じ道を辿って欲しくない、だからこの子を大切に思って暮らせる環境を作りたいと思ったんです。それに――」
正美さんは、優しく微笑むと言った。
「正宗も言っていました。どんなに虐待を受けていたとしても、母さんは俺を愛してくれているって。それを裏切られて、どんなに悲しかったかって」
正美さんは、ハンカチで涙を拭うと話を続けた。
「妹の希世の名前を姉と同じ名前にした時も、正宗は傷ついた表情をしていました。もちろん、妹の名前を姉と一緒にするのはおかしいと思われても仕方がないと思います。だけど、私はまだあの時希世の存在を求めていたから」
「それで、お姉さんと同じ名前を……」
「はい……。その後に、正宗は出ていきました」
正美さんも正美さんで、大変だった時期なんだ。
まだ正宗と正美さんは、話せば分かり合えるかもしれない。
「正美さんは、今どこに住んでいるんですか?」
「ここから少し離れた住宅街です。この子と暮らす為、新しく家を建てたんです」
「父親は?」
「別れました」
「えっ!」
「この子には希世と同じ道を辿って欲しくない、だからこの子を大切に思って暮らせる環境を作りたいと思ったんです。それに――」
正美さんは、優しく微笑むと言った。



