歌が運ぶ二人の恋

その後、私たちは近くのカフェに入って話すことになった。

希世ちゃんは、正美さんの隣でパフェを口にしている。

「蘭さんは、正宗から私たちのことを聞いていますね?」

「はい、正宗から聞きました。正美さんのことや、お姉さんのことも」

「そうですか……」

き、気まずい。

流れで話を聞くことになっちゃったけど、ここから先どうしよう。

「あの、聞いてもいいですか?」

「は、はい」

「その、正宗は元気にしていますか?」

「えっ?」

正宗のことを気にしている?

「あの子が家を出て行ってもう四年、あの子と顔を合わせていないの」

「正宗は元気ですよ。ちょっと意地悪な時があるけど、COSMOSのみなさんと頑張っています」

「そうですか、ありがとうございます」

正美さんは、軽く頭を下げる。

「頭を上げてください!」

「は、はい」

急に頭を下げられて驚いたけど、この人は正宗が言っていたような人じゃない。

きっと、正宗が居なかった四年間で変わったんだ。

「私は、あの子とは会うことはできません」

「えっ!?」

「私は、正宗が幼い時から虐待をし続け、姉であった希世にずっと期待していました。だけど、希世が亡くなって、私はこれから何を期待して生きていけばいいのかと思いました」

私は、静かに正美さんの話を聞く。

「私がおかしくなった時も、正宗は私の傍に居てくれたけど、私は正宗を見るのが怖かった。また希世みたいに失うんじゃないかと思って」