歌が運ぶ二人の恋

COSMOSのメンバーは、全員で四人。

その数と同じく、俺たちが一人指名してグループのメンバーを決める。

もちろん、俺は指名する気なんてない。

「近道でも通るか……」

近くの路地を曲がった時、俺は思いっきり誰かとぶつかった。

「ぎゃふんっ!」

「うわっ!」

その時に、かけていたサングラスが宙を飛んだ。

「いって……」

たく、一体何なんだよ。

「いたたた……」

「っ!」

聞き覚えのある声だなと思い、正面を見た時俺は目を見開いた。

「あーっ!」

「あーっ!」

その時互いの視線がぶつかり、声をあげる。

「な、何で貴方がこんなところに?!」

「それはこっちの台詞だ馬鹿女。前見て走れよなっ!」

「そ、そんな言い方ないじゃない。急いでたんだから仕方ないじゃん!」

「はぁ?!急いでたって、何でこんな道通ってるんだよ!」

この女……。

さっき俺と反対方向に走っていったのに何で……?