歌が運ぶ二人の恋

【蘭】

その日の収録も無事に終わって、私は一人家に向かっていた。

「今日の夕飯何にしようかな?」

カフェの近くを通った時、私は一人の女の子に目がいった。

その子は、ガラス越しにテレビを見ていて、テレビにはCOSMOSが映っていた。

「やっぱり、COSMOSは小さな子にも人気なんだね」

女の子の後ろを通り過ぎようとした時、私は誰かに服を引っ張られた。

「えっ?」

振り返り見下ろすと、さっきの女の子が私の服を引っ張っていた。

こ、これはどんか状況なんだろう?

この子のお母さんはどこかな?

女の子は、私の顔をじっと見てきて言った。

「蘭ちゃん!」

「えっ?!」

「お姉ちゃん、蘭ちゃんだよね?」

私は、急いでその子の口を抑える。

「な、何のことかな?君一人なの?」

「ううん、お母さん待ってるの」

なんだ、お母さん待ってるんだ。

でも、何で私が蘭だって分かったんだろう?

「お姉ちゃん、お兄と居た!」

「お兄さん?」

女の子は、テレビに指を指した。

「お兄と居たお姉ちゃん、お兄のこと知ってる」

女の子が指をさした人物は、正宗だった。

「正宗の妹?」

じゃぁ、この子もしかして正宗が言っていた希世ちゃん?

「希世、まだお兄と会ったことないから、どんな人か知らない」

もう自分で希世って言ってる時点で確定だ。