「ほんと、人がかっこよく言うつもりでいたのに、全部壊しやがって」

「えっ?」

「こっち、向けよ」

正宗の手が方を掴むと、そのまま私を抱き寄せる。

「ま、正宗?」

「さっきの続き言っていいか?」

「……うん」

私は、覚悟を決めて頷く。

そして、何故か正宗は大きく息を吸うと私の耳元で叫んだ。

「俺が気になる子ってのは、お前のことだよ星美夜蘭っ!」

「えっ?!」

「お前の言う通り出会いは最悪で、俺より年下なのに上から目線で、俺には文句ばかり言うわ、可愛くねぇやつだけど」

私たちの間に風が通り過ぎていく。

「俺は、お前の笑顔に惚れた」

その言葉に、私の胸が高鳴る。

「じゃぁ、笑顔が似合う女の子って」

「お前のことだよ蘭」

正宗が私のことを好き?

これは、夢でも見ているの?

「お前さ、今夢だとか思ってるだろ?」

「そ、そう思うのが当たり前じゃ。、てっきり正宗は、私のことなんて……」

「それは、俺も同じだ」

正宗は、私を離すと手を握ってきた。

「こうやってお前と手を握ると、少し緊張するんだ」

「私もだよ、他の男の人と手を繋いでもなんとも思わないけど、正宗と繋ぐとドキドキする」

「蘭、俺の恋人になってくれないか?」

「……うん」

夕日が輝く中で、私たちはもう一度キスを交わした。

やっと想いが通じあったキスを――。