歌が運ぶ二人の恋

それから私たちは、電車の時間が来るまでゲームセンターで遊んだ。

「なぁ、これやろうぜ!」

「えっ?」

正宗が私を誘ったのは、車のレースゲームだった。

それに、ちゃんと座席みたいなものも付いてる。

「やってもいいけど、こういうの苦手っていうか」

「いいから来いよ、楽しいぜ」

正宗は、私の手を引くと椅子に私を座らせる。

私よりも正宗の方がゲーム楽しんでない?

「よし、スタートだ」

正宗の声とともに、レースは始まった。

「な、なにこれ?分かんないっ!」

ハンドルを握ってうまく車を操作するけど、カーブに来たところでうまく曲がれない。

「これやるの久々だな!」

チラッと正宗を見ると、そこには私の知らない正宗が居るような感じがした。