歌が運ぶ二人の恋

ケーキを食べ終えた私たちは、駅近くのゲームセンターへと来ていた。

「お前さ、こういうところ好きだよな」

「いいじゃん!正宗と来てみたかったし」

帰りの電車まで時間たっぷりあるし、正宗といる時を思いっきり楽しまなくちゃ。

「言っとくけど一応俺たちはアイドルだ。目立つことはあまりするなよ」

「分かってるよ」

私は、正宗より先に中へと入っていく。

「本当に分かってるのかよ」

そんな正宗は、溜め息をつきながら着いてくる。

「か、可愛い!」

私は、すぐそばにあったクレーンゲームに近づく。

「何が可愛いんだよ」

「だって!この猫のぬいぐるみ可愛くない?!この眠そうな目がさ!」

「あっそ、ならやってみれば?」

「言われなくても、やってみるよ!」

お金を入れボタンを押してクレーンを動かす。

「この辺かな?」

猫の頭上にクレーンを移動させ、ゆっくりとクレーンは降りる。