歌が運ぶ二人の恋

「ここのチーズケーキまじうめぇ!」

「はい?」

何を言うのかと思ったら。

「そりゃぁそうだよ、お兄ちゃんの知り合いの人のお店だよ!」

私もショートケーキを口へと運ぶ。

「うーん、美味しい!お兄ちゃんの作るケーキも美味しいけど、ここのケーキも美味しい!」

どうしよう、これならどんどん食べられそう!

「ふっ」

「な、なによ正宗!」

「いや、お前が面白すぎてさ……」

「ただ普通に感想述べただけじゃん」

「違うよ」

正宗は、私の顔に手を伸ばすと、頬に付いていた生クリームをとってくれた。

「生クリーム付けてんじゃねぇよ、やっぱり子どもだな」

私は、いっきに頬を染める。

「子どもじゃないし!」

「冗談だよ」

今日の正宗いつもと違って、なんだか素直に見える。

それと、楽しそう。

「正宗もショートケーキ食べてみる?」

「えっ?」

私は、フォークに刺したショートケーキを正宗へと渡す。

「い、いいよ!自分で食べるから」

「いいじゃん、せっかくなんだしさ」

私だって少しくらいアプローチしたっていいよね?