歌が運ぶ二人の恋

正宗が去った後、正宗の言葉がぐるぐると回っていた。

「とりあえず、帰ろうかな?」

ちょっと外に出て頭冷やしたいし。

外に出ると、夏の温かい風が私の髪を揺らす。

「もう、夏なんだね」

私は、駅に向かって歩き出す。

もし私が正宗に好きだって伝えたら、正宗はどう思うだろう。

女の子を好きにならない正宗だから、きっと私を遠ざけるよね。

そして、今みたいな関係は壊れる。

「今の関係が壊れるのは、やっぱり怖いよ」

ならいっそのこと、この気持ちは隠し通して、私は正宗の傍に居たい。

それでも、いつかは伝える日が来るかもしれない。

その時は、思いっきり自分の気持ちを伝えよう。

私は、自分の胸に手を当てそう誓った。

「まずは、ケーキ食べ放題楽しみだな」

正宗と出かけるんだから、その日のうちに正宗についてたくさん知ろう!