歌が運ぶ二人の恋

「ら、蘭!」

「ちょっといじり過ぎたんじゃないのか?」

「そうですね」

どうしよ、まだ胸のドキドキが止まらないんだけど。

正宗のことを考えるだけで、苦しくなったりドキドキしたりする。

私は、自分でも気づかないうちに、こんなにも正宗のことを好きになっていた。

「今それに気づくなんて!」

今度の休みに、正宗とケーキ食べに行くし、いつも通りしていなくちゃ正宗に変に思われる。

足早で廊下を歩いていた時、すぐ近くの角を曲がったとき思いっきり誰かとぶつかってしまった。

「いたたた……」

なんか、前にもこんなことがあったような?

「いってぇ……」

あれ?聞き覚えのある声?

正面を見たとき、そこにいた人物と目が合って、私の身体は固まった。

「ま、正宗?!」

「なんだ、蘭かよ」

神様はなんて意地悪なんだ

なんで正宗のことを考えてると、いつも偶然のように会うよう仕向けてるんですか!

今の私の顔、絶対赤いよね。

私は、赤くなった顔を隠しがてら急いで立ち上がる。

「ご、ごめんね正宗!私ちょっといそいでたから」

「そうか?まぁ、お前とはもうぶつかりなれたからな」

そんなにぶつかった覚えないんだけど。