歌が運ぶ二人の恋

「では改めまして、蘭の母親の星美夜葵です」

「初めまして、蘭の友人の酢練李正宗です」

俺は、かけていたサングラスと被っていたフードを下ろす。

「正宗さん、もしかして貴方は」

「COSMOSの正宗です、知っているとは思いますが」

蘭に比べれば、この人はCOSMOSについては知っているとは思う。

「ごめんなさい、私はアイドルとかよく知らないのよ」

親子揃って似るところは同じなのかよ。

「でも、貴方のことは蘭から聞いています」

「えっ?!」

蘭が俺のことを葵さんに話したのか?

でも、あいつのことだからきっと愚痴とか色々言ったんだろうけどな。

「ところで正宗さん」

「はい?」

「正宗さんは、蘭のことが好きですか?」

「……はい?」

葵さんが変なこと聞いてきたよな?

蘭のことを好きかって、単刀直入でそんなこと聞いてきたような?

「そ、それは……」

「言えませんか?」

「っ!」

その時、葵さんの表情が真剣なものに変わり、俺を見つめてくる。

「今日、蘭から貴方の話を聞いたとき、蘭は貴方に助けられてばかりだと言っていました」

「蘭が?でも、俺もあいつから元気をたくさん貰いました。蘭には、いつも笑っていてほしいし、俺はそんな蘭に」

「好きになったんですか?」

だから、なんで母親って男の言いたいことがすぐ分かるんだ。

俺は、葵さんの言葉にしぶしぶ頷く。

今の俺の顔、絶対真っ赤だよな。