歌が運ぶ二人の恋

「でも、帰る前に一度よるか」

蘭の母さんが入院しているという、隣町の病院に。

一つ疑問に思うことがあるからだ。

「過労で体を壊してるなら、ここまで長く入院するものなのか?」

隣町の病院といったら、一つしか思い当たらないが。

「また、あの病院に行くのかよ」

姉さんの件でお世話になった病院。

車のスピードをあげ、俺は隣町の病院に向かった。

病院へと着き、駐車場に車を止め受付の人に蘭の母親の病室を聞く。

「流石にバレねぇか」

念のため車に乗せておいた服に着替えて来たから、俺がCOSMOSの正宗ってことには気づかないみたいだ。

今までフードつきとサングラスをつけて、町の中歩いてたしな。

それで、バレないってのがすごいよな。

階段で三階までのぼり、蘭の母さんの部屋の前で俺は止まる。

扉を軽くノックすると中から声が聞こえた。

『はい、どちら様ですか?』

「すみませんこんな夜遅くに、蘭の友人の者です」

俺がそう答えると、蘭の母さんは。

『どうぞ』

即答で俺を部屋の中へと入れてくれた。

部屋の中に入った俺は、蘭の母さんと向き合った。

「初めまして、どうぞこちらへ」

蘭の母さんに言われるがまま、俺はベッドの近くにあった椅子に座る。