歌が運ぶ二人の恋

【正宗】

「俺、今何してた?」

さっき自分が蘭にしてことを思い出し、俺は手の平を見る。

「女の髪に触ったの、久しぶりだ」

今でも蘭の髪の感触が残ってる。

「ふっ、俺は変態かよ」

深く溜め息をつき、駐車場へと向かう。

「蘭と一緒にケーキか」

COSMOSのメンバー以外と休日を過ごすのは、何年ぶりだったかな?

「まっ、休日っつてもなかなか休みなかったけど」

でも、蘭と二人で出かけることになるんだよな?

このことを涼介や至流婆たちに知られると、また変なこと言われそうだ。

言ってきたらもちろん、その場で地獄を見てせやるけどな。

車に乗り込み、雨が降るなか車を走らせる。

「そう言えば、そろそろ命日か」

姉さんの命日が近々あるけど、もう墓参りには四年近く行っていない。

行く暇がなかったってのは、言い訳にしか聞こえないと思う。

だけど、本当は行くのが怖かったんだ。

墓参りに行くたび思い出す嫌な記憶、目の前で姉さんが死んだ記憶が蘇りそうで、それが怖くて仕方がない。

でも、いつまでもこのままじゃいけないとは思ってる。

だから今年は、ちゃんと姉さんの墓参りに行こう。

そして、これまでの出来事や、変な奴に会ったこと。

その変な奴を好きになったことを話す。