歌が運ぶ二人の恋

「でも、この日も収録とか練習とか入ってるだろ?サボるわけにも行かねぇよ」

「あっ、それは多分大丈夫」

「はっきり言うじゃん」

「だって、そのケーキ食べ放題チケットその日のうちなら何時に行ってもいいんだよ」

「はっ?」

正宗は、チケットを裏返してそこに書いてあることを凝視する。

「こんなことする店、ここぐらいじゃないのか?」

「たぶんね、だから収録や練習が終わったら直ぐに行くから、ちゃんと準備してね」

「分かってるよ、俺はお前よりのろまじゃないから安心しとけ」

「なっ!」

ほんと嫌味しか言えないのかな?!

「それじゃ、帰るわ」

「あっ、直ぐそこまで送るよ」

「そこまでしなくていい、今日は俺からここに来たんだ。蘭に送ってもらわなくても車すぐそこだし」

「そ、そっか」

そうだよね、正宗だって男の子だしね。

私が黙り込むと、正宗は私のところへと来ると優しく私の髪に触れる。

「別に嫌だってわけじゃない、勘違いとかすんなよ」

「し、してないよ!」

「ならいいけど」

正宗は、軽く私に微笑み返すと部屋から出て行った。

「もぅ。今日の正宗どうしたの?!」

あんなこと、今までしてくれた事なかったのに、急にされると驚くよ。

別のことで勘違いしそうになるよ。