歌が運ぶ二人の恋

「お先に失礼します」

「気をつけて行きなよ」

お店の中を通って外へ出ようとした時、ふとあの二人の男の人が座っている席へと視線が向いた。

けど、私が視線を向けた時、翡翠色の髪の男の子の姿はなかった。

あれ?

帰ったのかな?

金髪の髪の人は、誰かと電話をしているようだった。

ちょっとだけ、金髪の髪の人の事が気になったけど、それよりお店が優先だ。

お店の外へと出て、お兄ちゃんのお店の方向に向かって走りだす。

「確か、この辺に近道があったはず」

すぐ近くの路地を曲がり、道に沿って思いっきり走る。

走り続けると、目の前に見覚えのある道が見えた。

「あっ、あそこを右に」

曲がろうとした時、私は気づかなかった。

勢いで曲がった時に、私は思いっきり人とぶつかってしまった。

「ぎゃふんっ!」

そして、思いっきりお尻をつく。 

「いたたた」

「いって……」

聞き覚えのある声だなと思って正面を見た時、私は驚いて目を見開いた。