歌が運ぶ二人の恋

「えっと、今日私が休んだのはね、お母さんのお見舞いに行ってたの」

「母さんの見舞いに?」

「うん、これからMEITOの仕事は本格的に始まってくるし、行ける機会がなくなっちゃうから、今のうちに行ってこようと思って」

そう答えると、正宗は急に顔を真っ赤にさせた。

「正宗?顔が赤いけど」

「な、なんでもねぇよ!こっち見んなっ!」

今日の正宗は様子が変だ。

でも、ここに来てくれたってことは、心配して来てくれたってことだよね?

「ありがとう正宗、心配してくれて」

「べ、別に。他のことで心配したし」

「えっ?」

最後の方は、声が小さくて上手く聞き取れなかった。

「じゃぁ、俺帰る」

「あっ、ちょっと待って!」

「ん?」

私は、さっきお兄ちゃんから貰ったケーキ食べ放題チケットを正宗に渡す。

「なんだよこれ?」

「私からのお礼なんだけど」

「お礼?お礼されるようなことした覚えないけど」

「正宗が覚えてなくても、私は色々な場面で正宗に助けられてるの、だからそのお礼に一緒にケーキ食べに行かない?」

「……分かった」

よかった。

行かないって言われたらどうしようかと思った。