歌が運ぶ二人の恋

【蘭】

こ、これは一体どういう事なの?!

帰って来てみると、私の部屋の扉の前に正宗が居て、そうしたらいきなり抱きしめられて。

し、心臓の音が聞こえちゃうよ!

それに、頬がどんどん熱くなっていく。

「ま、正宗……?あの……」

「もう少し、このままで居させてくれ」

「う、うん」

私は、正宗の言葉にそう返すことしか出来なかった。

それから数分して、私は正宗を部屋へと招いた。

「……」

「……」

部屋に入っても正宗は黙り込んでいて、私も何を話せば良いのか分からなくなっていた。

「えっと、さっきのは気にするな……」

「う、うん」

頬を赤くしていう正宗の姿に、私はまたドキドキしてしまう。

「そ、そうだ。良かったらケーキ食べていかない?」

「ケーキ?」

「さっきお兄ちゃんから貰ってきたの、思った以上にたくさんくれて、一人じゃ食べ切れそうにもないんだ」

「お前の胃袋でもいけないのかよ」

「どういう意味よ!」

「言葉どおりだ」

なんだ、ちゃんと嫌味言えるぐらいには落ち着いてるじゃん。

「それでさ、私に何か用なの?」

「そ、それは」

すごい言いづらそうだ。

「今日お前が珍しく休んだから、何かあったのかと思ってさ」

「あれ?楓さんから聞いてないの?」

「何をだよ?」

これは、言ってなくても当然か。