歌が運ぶ二人の恋

【正宗】

「終わった……」

俺は、小さくそう呟く。

この曲は、空に居る姉さんへの気持ちを歌にしたものだ。

「届いてくれるなら良いけど」

姉さんに言えなかった言葉「ありがとう」が、伝わりますように。

「聞いてくれてありがとう!だけど、まだまだ盛り上がって行くよ!」

俺は、涼介に視線を送り、至流婆たちの方へと戻る。

「今日は、みんなにお知らせがあるんだ」

会場がざわめき始める。

「今日は、僕たちの妹グループのメンバーを紹介するよ」

「メンバーは、同じく四人……」

「俺たちが、選びに選び抜い子たちっすよ」

「じゃぁ、紹介していくよ。まず始めに、僕と同じくカラーは赤色、やる気全開の角原里音」

角原は、走ってきてステージへと姿を現した。

「角原里音だよ。よろしく!」

ワァッと歓声が上がり、俺たちはメンバーを紹介していく。