歌が運ぶ二人の恋

「凄い」

「これが、COSMOSののライブ」

「……」

目を閉じれば、自分が空に輝く星の中に居る気がした。

「MEITOの皆さん、スタンバイお願いします」

「はい」

美宇さんに呼ばれ、私たちは向かい合う。

「いよいよ、だね」

「はい」

「精一杯、頑張ろう」

私たちは、向き合ってそれぞれの肩に手を置いた。

「さぁ、どんどん盛り上がっていくぞ!」

「次は、もう一つの新曲」

正宗は、一歩前に出ると一度息を吐いた。

「新曲、空への手紙」

会場に曲が流れ始める。

歌を歌っている時の正宗は、凄くきらきらとして見えた。

この曲から伝わる気持ちや思い、ちゃんと届いてくるよ正宗。

凄く優しくて寂しい気持ち、誰かにありがとうと伝えたい思い。

「でも、誰への思いなんだろう?」

胸の辺りがチクリと痛んだ気がした。

だけど、正宗のお陰で緊張も取れて来たみたい。

「正宗、ありがとう」

曲が終わり、会場には再び歓声がわく。

「いよいよですね」

「うん」

私は、胸に手を当てて息を吐く。

そして、気合を入れ直す。

「よし!」