歌が運ぶ二人の恋

【蘭】

「す、凄い歓声だね」

「うん」

ステージの方から、私たちはCOSMOSののライブの様子を伺っている。

「迫力があって、どんどん楽しくなってきちゃうね」

「……」

私は、正宗をじっと見ていた。

「やっぱり、ライブの時は猫被るんだね」

何で猫被るんだろ?

いつもの正宗の素をそのまま出せばいいのに。

「だけど……」

何でだろう、歌を聞いていると緊張感が少しずつ和らいでいく。

「夜空に浮かぶ星たちは、それぞれの意味を持って輝き続けている、その星からのメッセージが流れ星になって、いつか君にと届くと信じてる」

この曲に込められた気持ちと思い、分かるよ正宗。

「凄く優しくて、温かい気持ち」

胸の辺りが温かい、正宗はこんな曲も作れるんだ。

「COSMOSの人たちみんなは、歌に込められた気持ちや思いを、精一杯に伝えようとしているんだ」

新曲の『流れ星』が終わり、会場は活気に溢れていた。