歌が運ぶ二人の恋

【正宗】

「蘭のやつ、どうしたんだ?」

あいつの様子は何処か辺だった。

昨日の夜に電話をかけたときは、いつもの蘭みたいだったけど。

「今の蘭は、いつもの蘭じゃない」

何があったか聞いてあげたいけど、時間がないし。

「曲が終わったら、正宗さんのシングル曲の発表です」

「はい」

俺に今できるのは、歌を届けるだけだ。

「俺の歌で、元気が出てくれれば良いけど」

俺のシングル曲に込めた気持ちと思いに、気づいてくれよ。

気づけるのは、お前だけなんだから。

「それでは、お願いします」

「はい」

俺たち四人は向かい合った。

「さぁ、今日の主役はあの子たちだ」

「俺たちが盛り上げるっすよ」

「そうだな」

「あぁ」

俺たっちは、拳を作り押し当てる。

「俺達の歌を、みんなに届けよう。行くぞCOSMOS!」

「おう!」

気合を入れた俺たちは、ステージへと上がった。