歌が運ぶ二人の恋

「貴方、蘭ちゃんね」

「は、はい」

「私は、金田京子(かねだきょうこ)よ。よろしくね」

「は、はい。よろしくお願いします」

怖そうな人かと思ったけど、優しそうな人だ。

「ところで、貴方はこの中のリーダーみたいな存在かしら?」

「え?リーダですか?」

そんな事考えたことなかった。

てか私がリーダーなんて考えられないよ。

そういう役は、里音の方があっていると思うし。

「自覚はないみたいね、私から見たら貴方はこの中の中心に居るわよ」

「そ、そんなこと」

その時、京子さんが私の耳元で囁いた。

「中心的な存在の貴方は、失敗は許されないわね」

その言葉に私の心臓は大きく高鳴り鳥肌が立った。

「し、失敗なんてしません。いっぱい練習しましたから」

声がだんだん小さくなってしまう。

「いっぱい練習しても、失敗する人だって居るのよ」

「っ!」

京子さんは、私から離れると手を二回叩いた。

「メイク終わったかしら?」

「はい!お姉様」

「はい、これで終わりよ蘭ちゃん」

「は、はい」

京子さんは、笑顔で私を見下ろしてきた。

だけどその笑顔は、とても冷たく感じて寒さが私を襲った。