「私が今やらなくちゃいけない事はーー」

ふと、私はそんな事を考え出した。

だけど、その答えはもう私の中で出ていた。

練習場へと戻ると、里音たちが何かを話し合っていた。

「どうしたの?」

「あっ!蘭お帰り」

「う、うん。何を話し合っていたの?」

「ちょっとね、この休憩時間をどう使うか考えていたとこ」

「休憩時間を?」

そういえば、ハンナさんがこの休憩時間をどう使うかは、貴方たち次第よって言ってた。

「それで、今私たちで考えていたんだけど、蘭の答えはどうなのかって、思っていたの」

「私の?」

「蘭は、どう思う?」

どう思うかって聞かれても、そんなのは一つだよ。

「やっぱり、練習でしょ」

私がそう言うと、三人は顔を見合わせて笑いあった。

「私たちも同じ答えです」

「蘭も、そう言うと思った」

今の私がやらなくちゃいけない事、私たちがやらなくちゃいけないことは、練習というただ一つのことだけ。

「さぁ、やろうよ練習」

「うん」

音楽を流して、私たちは踊りだす。

そんな私たちの様子を、ハンナさんが影で見ていた事に、私たちは気づかなかった。

「あの子たちったら」