涙がこぼれる季節(とき)【完】

最初は悲しかったけど、5時間目、6時間目、と過ごすうちに腹が立ってきて。


放課後、修ちゃんが謝ってきた時も知らんふりしてしまった。



それに、まだ学校の敷地内――生徒がいるところで「結衣」って呼んでくれたら、許していたかもしれないけど。


修ちゃんは、明らかに誰もいなくなるのを待っていた。



けっきょく、みんなの前で呼ぶ気なんてないんじゃないーー。



さらに頭に来て、イジワル言っちゃった。


それなのに、修ちゃんは反論も弁解もしないで、ずっと黙っていた。



ほんとうに、「結衣」禁止でもいいの?



私の怒りは、失望に変わった。



翌日は係の仕事があって、修ちゃんに待っていてもらおうと思っていたけど、やっぱり先に帰ってもらうことにした。


こんな気持ちのままじゃ、一緒にいたくなかったから……。