「野次のこと言ってるんなら、これも作戦のうちだ」


相手監督が開き直った瞬間、美桜ちゃんの目つきが変わった。



「なにほざいとんねん。相手ビビらしたかったら、己の技術でビビらさんかいッ」



美桜ちゃん――11歳美少女の、ギャップありすぎのこの発言に、全員が凍りついた。



そして、あまりにも予想外だったせいか、相手監督は、


「ハァ……スミマセンでした」


自分でも訳がわからないまま、頭を下げたのだった。



その後、この一件は周辺の野球チームに広まり、この辺りのチームはヤジを慎むようになった。