不意に、美桜ちゃんが、相手チームの監督に詰め寄った。


「あんたにとって、スポーツマンシップとは、何かね?」


小5女子らしからぬセリフと言い回しに、その場にいた全員がポカンとした。


「まあ、あんたに聞いてもムダやわなぁ。ほんなら教えたげましょか」


――な、何弁?!


どこか、おそらく京都辺りの抑揚に、相手チームは、美桜ちゃんが関西出身だと思ったかもしれないけど。


美桜ちゃんは、生まれも育ちも、S市。


こちらのみんなはそれを知っていたから、さらに目を丸くした。



「スポーツマンシップゆうのはなぁ、スポーツを楽しんでフェアプレイを尊重して。

それからこれが大事なことなんやけど。

相手を同じ競技をする仲間やと意識して、尊敬して、ええプレイをした時は賞賛することができる、そおゆう気持ちのことや。

あんたとこのチームには、それ、あらへんのやなぁ」