小3の夏、K高の試合を見て感動した私たちは、K高に入って野球の応援に行きたいと思うようになった。


K高ではブラスバンドの曲に合わせて、野球部とチアガールがそれぞれ別の振り付けで踊っていた。


私は特に、野球部の踊りが楽しそうで気に入っていたけど、一般生徒の席は狭く、メガホンを叩いたり振ったりすることはできても、部員と同じように踊るのは無理そうだった。



でも、何度もビデオを見ているうちに、野球部員の後ろにマネージャーらしき女子が数人、一緒に応援していることに気がついた。


その瞬間、これだ! とひらめいて、


「どうせなら、マネージャーになろうよ」


とても軽い気持ちで、私は美桜ちゃんに言った。


マネージャーの仕事のことなんて、何も知らない子供だったから。