12月28日。

年内最後の部活は、大掃除。


部室や外トイレの掃除、汚れ物の洗濯、校庭の落ち葉掃き、用具や備品の手入れなどを、部員全員で手分けして行なっていた。


私は、結衣と真紀と、部室の掃除。




途中で、


「ゾーキン、ある?」


部室に入って来た吉崎は、結衣をみつけるとほんの一瞬顔を赤らめた。


普段使わない雑巾は、ダンボールに入れてロッカーの上に置いてあった。


「あるよ~」


ロッカーの前にいた結衣は、近くにあった脚立――結衣は背が低いので届かないと判断したのだろう――を広げて上った。


しかしそれは広げきれておらず、不安定に見えた。


「ねえ、それ、危なくない?」


私が注意したのと同時に、


「あッ」


部室にいた4人は同時に声を上げた。