「ねえ、私にも神業見せてよ。それ、最後の1枚なんだから、気合入れてね」


至近距離から結衣にみつめられた吉崎は、もう、終わったも同然。



悠斗の方は、3枚目のポイで4匹目を狙っていた。


悠斗の勝利は目前――と思いきや。


結衣にいいところを見せたいと思う気持ちが緊張を超えたのだろう。


吉崎の神業、復活。


次から次へとすくい上げて。



結局、8対3で、吉崎の勝利。



「吉崎、すご~い」

「こんなの……大したことないよ」


はしゃぐ結衣と、本当は嬉しいくせに平静を装っている吉崎。



そんな2人を悔しそうにみつめながら、なぜ作戦が失敗したのかと、悠斗は首を傾げていた。