今日もその曲がり角で、昼過ぎに待ち合わせをしていた。


「修ちゃん、誕生日おめでとう」


先に来ていた結衣はオレがそばに来ると笑顔を浮かべ、


「ハイ、これ――家に帰ってから見てね」


シンプルな紙袋――きっと親に見られても女の子からだとわからないように――を差し出した。


「ありがとう」




初めて好きになった女の子――。


結衣からの――。


結衣がオレのために選んでくれた、プレゼント。




その存在自体が、何よりも、嬉しかった。