涙がこぼれる季節(とき)【完】

「――結衣」




ふと、聞き覚えのある声がして。


振り返ると、教室の入り口に、修ちゃんが真っ赤な顔で立っていた。



そして、クラス全員の視線を浴びながら、




「い、一緒に帰ろうぜ」




私に向かって叫んだ。




きっと、ものすごく、無理をして。