涙がこぼれる季節(とき)【完】

次の日、6時間目が終わると、同じ美術係の(岡野)小春ちゃんの席へ行った。


授業中に描いたクラス全員の絵を、これから廊下に貼ることになっていた。


「イス使わないと、上の方届かないよね」


2人とも特に背が低かったので、そんな話をしていたら、


「なに、これ貼るの? オレ、手伝ってあげるよ」


桐谷が割り込んできた。


「大丈夫。さっさとサッカーの練習、行ったほうがいいんじゃない」

「水曜は練習ないから。結衣ちゃんも、もう、練習ないんでしょ、これ早く終わらせて、デートしよ」


なんて、いつものやり取りをしていた。