カラカラと音を立てて美術室の戸を閉めて、立ちつくす。

みんな、私に気づく気配はない。

無言で立ってるから当たり前かも知れないけど、まるで空気になった気分だった。

それぞれに話しながら作品を描く子もいれば、絵しりとりをして盛り上がってる子もいた。

あとあと知ったのは、その女子と友達2人で私のことを探し回っていたという事だった。

.......何がしたいのかなんて全く理解できなかった。

理解したらきっと学校にすら来たくなくなると分かってたから。

ただ一つ思ったことは、私は誰を信用したらいいの?という、ありきたりで、だけど深刻な疑問だけだったー.....。

中1の冬、心は冷えきってかたくかたく、心を閉ざした。

大人も子供も、人自体を信じることが出来なくなってた。軽い人間不信になってたと思う。

そんな、私の心に光をともしてくれたのは、ほかの誰でもない奏人だったー....。