せめてもの救いは、この思いっきり緩んだ顔を奏人に見られないことで...。

中に入り、奏人から歌い始める。

もう、ニヤニヤを抑えるので精一杯だった....!

奏人の歌のうまさは本当に尊敬する。

ピアノは弾けるし、水泳は出来るし、足は早いし、優しいし、声はいいし。

私が困ってたら助けてくれて、何回も気を使わせてしまったとは思う...。

それでも嫌な顔一つしない奏人はすごく優しいと思うんだ。

以心伝心、までは行かなくても今も、昔も、奏人は私のよき理解者だよなぁとボーッと思いながら、歌う。

楽しそうにしてる奏人を見てると、自然と微笑みがもれる。