ドキドキと鼓動がうるさかった。

奏人の手に触れただけで、かあっと熱くなる体温に、戸惑うばかりで。

夏だから暑いんだと言い訳をしてみても、異様なくらいに高まる気持ちはもう隠しようがなかった。

だからなのかなんなのか、学校祭前日の夜、奏人が夢に出てきて、耳元で「比奈....」なんて囁いてきて...。

起きたら夢だと分かっているのに、本当に囁かれたあとみたいに顔が真っ赤だった。

そんなこんなで学校祭、1年生は食品を売れないので私たちのクラスは簡単な「ストラックアウト」をした。

いつの間にか決まっていた班振り分けで、私と奏人は同じグループになった。