あのあと、菜乃花から奏人のことを色々聞いて、ますます好きになっちゃって。

奏人、と言う名前を知ったのもその時が初めてだった。

願わくば、また話したいなーなんて思いながら、自分からは何にも行動しなかった。

話したい。だけど、そんな勇気は持ち合わせてなくて、でも、今までにないくらい好きになったのはほかの誰でもない奏人で....。

学校祭の準備はどんどん進んでいった。

そして、とうとう初めての文化祭の日、何だかとても不思議な感じだった。

学校なんだけど、『非日常』みたいな感じ。すごい不思議な感覚だった。

学校全体が浮き足立って、ガヤガヤと周りのざわめきが聞こえる。