「この上の方に週変わりのランチメニューを貼って、この路地の入り口と店の前に置こうと思って。
あ、夜は今まで通り清海が書いた看板置くからね。
俺が伝えたイメージだけでこんなどんぴしゃな作品を書き上げてくれてさ。
かっきーって本当にすご
いと思ったよ」
「うん……。本当にすごい。
この絵に引き付けられて店の前まで歩いて来ちゃいそう。豚さんたちと一緒に。
って……、シンタくん今何て言った?」
「何って……。何か変なこと言った?俺」
シンタくんがキョトンとして首を傾げる。
「いや……、変なことではないんだけど。
ランチ……って聞こえたような…」
あー、そんなこと? とでも言わんばかりの顔つきで頷いたシンタくんが私に向き合って高らかに宣言する。
「春からこの店は
【カフェ&ダイニングバー 三男坊の家】
に生まれ変わることになったから!」
「…………は?」
相変わらず得意気な笑顔のままのシンタくんの前で私はすぐにはその言葉の意味を理解できず、ポカーンと口を開けたまま立ち尽くしてしまった。