「それはシンタくんでしょう?」
「何が?」
シンタくんが小さく首を傾げる。
「いや、だから……その……履き違えてる人がキライ、なのは」
「…………誰がそんなことを?」
「そりゃ、もちろんうちのアニキが……」
「……は?」
私の言葉に表情を無くし、ポカンとしていたシンタくんがやがて大きく息を吐き笑い出した。
「ずりー。あいつ。
自分が言いたいこと俺にすり替えやがったな」
へ?そうなの?
何故、素直に自分の意見だと言わなかった?
シンタくんの名前出した方が効果的だと思ったのか?
お兄ちゃんのバカ。
「あいつも大概千波に甘いよね。
千波がどんな気持ちでメイクアップしたか分かってるから自分の意見を押し付けられなかったんだよ。
だからって俺の名前を出すとは卑怯だな」
そう言いながらもシンタくんは肩を震わせて笑っている。
あ、そういうこと……?
兄の親心?みたいなものに納得出来るような出来ないような。
だけどやっぱり、
シンタくんの名前出すのは良くないでしょうよ…。
でも、じゃあ……。
「じゃあ、シンタくんはどう思ったの?
……昨日の私」
思いきって聞いてみることにした 。

