飲む、と返すとベッドに寄りかかるアキの隣に置いてあったミネラルウォーターが持ち上げられた。

それを見ていると、アキが口移しして飲ませてくる。

半分程が口から溢れて、ベッドを汚したら怒りそうだなと思った。
水がなくなってからも唇が離されずに、どんどん口付けが深くなってくる。

「ちょ、アキ」

「うん?」

二の腕を食まれる。ああ、これはもう一回戦やる気ですよこの男は……。

手を伸ばして、アキの頬に触れる。

あ、初めてアキの顔に触った。あたしは今までアキを愛おしいと思ったことはなかったのだと思う。

今はどうだろう。



20150927