全国の水族館特集らしく、青い水槽の中でマンボ―が悠々と泳いでいる。 こちらを振り向いたアキが「生きてる?」と聞いてくる。 「生きてる」 「がくんって落ちたから死んだかと思った。そんなに気持ち良かった?」 「きもち……アキってたまにデリカシーないこと言う」 アキが悪戯っ子のように笑った。 あたしの着ていたものがなくなってる、とベッドの下に視線を向けるけれどやっぱりなかった。 「浴衣は乾かしてて、下着は洗濯に出した。水飲む?」 もうなんか、いちいち赤くなるこっちが馬鹿みたいに思えてきた。