――そんな。
表立った心のざわめきだけに目をくれて。

奥底に僅かに顔を見せた違和感を、拾い上げようとはしなかった。

Keyやサークルメンバーとの会話。
麻里ちゃんとの会話。
店長との会話。

後から考えれば気付けただろう簡単な事実に、私は気付こうとしなかった。

もっと真剣に自分と向き合えば気付けたかもしれない迷いや自分自身の本心と、向き合おうとしなかった。


ううん、多分……
確信、してしまうのが怖くて。

自ら、目を背けた。


2013/12/21
AM10:00 開店