刀を抱えた男たちが、海鳴さんへ刃を向けるけど。

王司さんが制した。





「むやみに殺すんではありません。
早く行ってください」




王司さんの言葉に、牛車が走り出す。





「嫌だ!
遠矢くん、行かないで!!
遠矢くん!!!遠矢くん!!!!」




泣いて叫んで、追いかけようとした。

でも、思ったより力の強いばぁちゃんに後ろから抱きしめられ、前へ進めない。







何なの…?

神様、あたしのこと嫌いなの?




何で何度も、あたしと大切な人を引き離すの。




―――同じだ。

ルカが身を投げた時と、同じ場面だ。





「遠矢くんっ…とおっ……
いやあああああああああああっっ!!!!」






あたしはその場に、泣き崩れた。